石垣市立図書館(吉見武浩館長)は、所蔵冊数が1990年の完成時に想定した25万冊を超えていることから、館内に新たな収蔵庫を整備する。同館には2、3階に書庫が設置されており、現段階では収蔵できているが、これ以上増えると厳しい状況。このため、4階に収蔵庫を設け、貴重な資料から優先的に保管していく考えだ。4階は1階から13㍍の高さにあり、津波の被害を最小限に抑えることも想定。窒素ガスを使用した自動消火設備を初めて導入し、火災にも備えることにしている。今月中には着工し、12月末の完成を目指す。
同館によると、所蔵冊数は2011年度に25万冊を超え、ことし3月末には26万3216冊に上っている。
このため、4階に可動式の書架30台を設置し、約7万冊の資料を収蔵する計画。総事業費は約7000万円。一括交付金を活用する。
ことし3月までにエレベーターの改修を終え、4階まで行き来できるようになっている。
同館によると、施設の高さは17㍍あり、4階に収蔵庫を設けることで津波が発生した場合でも被害を最小限に抑えたい考え。新たな消火設備は熱を感知すると自動で窒素ガスを放出して消火できる仕組み。これまでは熱感知器のみだった。
吉見館長は「沖縄戦で本島の資料はほとんどない状態のようだ。石垣市に残っている古い貴重な資料を、次の世代に残していくことが大切だ」と話している。
工事期間中も平常通り開館するが、2階の視聴覚室には音が響く可能性があるという。吉見館長は「視聴覚室をどうしても利用したい方がいれば、できる限りの範囲で貸し出しも行いたい」としている。
同館が所有する図書資料の内訳はことし3月末現在、一般書12万1573冊、児童書5万8532冊、紙芝居1755冊、郷土書5万5738冊、雑誌2万683冊、視聴覚資料4935点。