人の名前が思い出せない。「ほら、あの人よ」「そう、あの人でしょ？」｜友人との会話。特に外国人のカタカナ名、顔は浮かんでいても名前が出てこない。これって認知症の始まり？▼高齢者だけかと思っていた認知症だが県の実態調査では、18～64歳の若年性認知症と診断された人が県内で３８２人もいることが分かったというから人ごとではない▼また県全体の推計で65歳以上の認知症は７人に１人。八重山でも深刻化していて総人口の２・４％の１１６６人、約７・５人に１人、島の人の約40人に１人の割合だという▼過日、市民会館で開かれた認知症予防講演会で、北中城若松病院の涌波淳子院長が「誰でもかかるかも知れない認知症。勉強会などで知識を得て理解すること、予防する地域づくりが必要」と話していた▼知り合いは「母親が動き回って家族が大変してるサー」とこぼす。認知症の症状が出た母親が外に出たがって常に監視が必要で家族は気の休まる暇がないという。家族の介護に費やす負担やストレスは大きいようで、これからの超高齢社会では、そうなる可能性が否めない▼介護に当たる人たちは、本当に多くの課題と向き合っており「もっとグループホームなどを増やしてほしい」という切実な声も。社会的な支援を早急に進めてほしいと思う。（辻本順子）
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