石垣市は29日、外部委員をメーンにした水族館建設推進基本計画策定委員会(委員長・漢那政弘副市長、委員15人)を立ち上げ、基本計画案の策定作業を具体化させた。市教育委員会で開かれた第1回会議で、2013年度の基本構想で抽出した建設候補地11カ所から5カ所に絞り込んだ。8月下旬か9月上旬の次回で現地調査を行い、さらに3カ所程度に絞り込む予定だ。このうち1カ所については、建設費や配置計画などのシミュレーションを行う。
5カ所の候補地は野底、桴海、崎枝、伊原間、南ぬ浜町(新港地区)。事務局は当初、土地利用、取水環境整備の容易性など七つの視点から野底、桴海、崎枝のいずれも市有地3カ所を提案したが、委員から「他の候補地を除外する理由が妥当か」などと疑問の声が上がったたため、市有地の伊原間と公有水面埋め立て地の南ぬ浜町を追加した。
基本構想では、水族館の延べ床面積は1㌶程度と想定。候補地5カ所は3・2㌶から10㌶の用地面積があり、付帯施設を加えても十分な用地を確保できる。
一方、展示方針では「八重山の森」から「イノー」「サンゴ礁の海」「黒潮の海」「深海」と連続性をもたせ、自然環境の体験的ストーリーを思い描いている。目玉としてマンタやシュモクザメを検討している。
これについて委員からは「美ら海水族館との違いを出すという割には、あまりにも水族館らしい水族館」「天候に左右されない水族館として整備するなら、シュノーケリングやダイビングができてもよいのではないか」「星を生かせないか」など、さまざまな意見が出たため、次回で具体的な検討を加えることにした。
市は庁内検討委員会も平行して進め、年内に両委員会を4回程度開催して計画案をまとめ、市長に報告する予定だ。この間、住民から意見も募集する。