沖縄は海に山にと本格的な夏のシーズンを迎えた。灼熱(しゃくねつ)の太陽が照りつける中、那覇市の国際通りは南国沖縄を楽しむ観光客らでにぎわっている▼夏はなにものにもかえがたい貴重な体験、思い出をつくる絶好の機会。人それぞれスポーツ、海水浴、キャンプ、旅行などで思い思いの夏を満喫することだろう。一方では夏バテと夏風邪の季節でもある。くれぐれもクーラーと扇風機の当たり過ぎ、栄養のバランス面には気をつけたい▼とはいっても沖縄の酷暑はこれからが本番。「心頭を滅却(めっきゃく)すれば火もまた涼し」の境地になれない凡人の身にはこたえる。沖縄独特のヒージャー汁(山羊汁)、シルイチャー汁(イカの墨汁)、ゴーヤーチャンプルーなどを食べて夏バテ防止といくか▼明るくて健康的な夏だが、うだるような暑さに見舞われると、いきおい水に親しむ機会が増えてこよう。人々は涼を求めて海や川にどっと繰り出し、行楽地に子どもたちの笑い声がはじける▼楽しい行楽の陰で心配されるのが水難事故である。水を恐れることはないが、侮ると取り返しがつかないことになる。油断大敵の言葉のように事故防止は「安全」へのあくなき追求以外にない▼思い出の夏、行楽地ではごみの持ち帰りなど自然環境への気配りも忘れないでほしい。(鬚川修)
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