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Channel: 八重山毎日新聞社
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強風下、五風十雨祈る 四カ字ムラプール

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四カ字のムラプールで行われたアヒャー綱で、ブル棒で雌雄の大綱を結びつけるブルピトゥの池西美津子さん(中央)=22日午後、真乙姥御嶽

 五穀豊穣(ほうじょう)に感謝し、来夏世(クナツユー)の豊作を祈願する石垣市四カ字の豊年祭(ムラプール)が22日午後、新川の真乙姥(まいつば)御嶽で行われた。各字や団体自慢の旗頭や太鼓が奉納され、巻踊りなどがにぎやかに繰り広げられた。今年は台風10号の影響で強風が吹く中での開催となったが、会場は大勢の見物客で埋め尽くされ、女性だけで行われるアヒャー綱や勇壮なツナヌミン、大綱引きなどで祭りは最高潮に達した。

 開始前、会場周辺には各字や公民館、団体の旗頭が集結。新川字会の入嵩西正治会長が「自然界からの崇果報(スディガフ)を賜るよう皆さまと真乙姥の神にお祈りしたい」とあいさつした後、新川字会の旗頭「田」「矢頭」のほか、記旗(シルシバタ)と五穀(グク)を持った稚児たちを先頭に長老や婦人によるザイ、鎌払(ガギバライ)、田打(ターウツ)などが奉納された。

 引き続き双葉公民館、大川字会、石垣字会、登野城字会、JAおきなわ八重山地区本部、石垣島製糖、石垣市役所、八重山農林高校、石垣中学校、東京八重山会が次々と旗頭や太鼓、巻踊りなどを奉納した。

 「五穀の種子授けの儀」では、五穀の種子を持った農の神が東から登場し、西から来た巫女(みこ)に種子を伝授。その後、神司から授かったブル棒を雄雌の綱に差し込む「アヒャー綱」が女性だけで繰り広げられた。

 ブルピトゥ(棒貫人)に選ばれた池西美津子さん(64)=波照間島出身、新川在住=が神司から受け取ったブル棒で雌雄の大綱をつなぎ合わせると、取り囲んだ大勢の婦人たちがガーリで熱狂、盛り上がった。

 大役を果たした池西さんは「1年に1人だけで二度あることではないので、させてもらえて本当に幸せ。最後までできたのも地域の方々や家族の支えのおかげ。本当に感謝している」と感慨深げに語った。

 この後、旗頭と綱は水元の神前とされる真乙姥御嶽の西側200㍍ほどの所に移動し、東からなぎなた、西からカマを持った武者が勇壮なツナヌミンを演じた。フィナーレは大綱引きが行われ、大勢の市民や観光客が東西に綱を引きあった。

 強風の影響で何度も旗頭が倒れそうになり、観客から悲鳴が上がることも。入嵩西会長は「すべてをこなせてホッとしている」と胸をなで下ろしていた。


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