南ぬ島空港は開港から1年を経過しても、消費税引き上げ後も減速しない。観光客はさらに増加を続けており、八重山観光入域は、目標の105万人を達成しそうな勢い▼夏休みの繁忙期に入り、日本トランスオーシャン航空(JTA)は東京直行便に中型機を導入、2往復に増便、さらに全日本空輸(ANA)も25日から増便を予定しており、東京直行便は4往復8便となる▼コンテナを積める中型機を両社が投入したことで例年のようなパイン・マンゴーの滞貨問題は回避され、大勢の客を運べるようになった。首都圏の八重山観光需要の好調さには、関係者も首をかしげるほど▼その中で先日、松野知之日銀那覇支店長の経済講演が市内で開かれ、松野氏は「景気は東北と北海道、沖縄が好調」としつつ、「沖縄の中でも八重山はずばぬけている」と解説▼課題として人づくりの文化と仕組み、学ぶ現場の構築を挙げた。全国的に求人募集への応募が少なく、建設業やサービス産業の悩みは深刻だ。特に観光関係ではリーマンショックでリストラされた人も少なくない▼市内では零細企業が多く、不安定な雇用形態のところもある。かつて「時給を上げれば応募はある」と言う人がいたが、最近はこれも通用しない。待遇面を見直さないと、優れた人材が流出していく時代になっている。(黒島安隆)
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