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EV路線バス導入 郡内初、脱炭素実現へ

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西表島交通が導入した電気路線バス。側面にはイリオモテヤマネコやアカショウビンなど海、陸の多様な生物が描かれている=3日午後、仲間港

 【西表】西表島交通㈱(玉盛雅治代表取締役社長)=大原=は3月中旬から路線バスに電気自動車(EV)を導入し、〝脱炭素〟を実現する環境配慮型の公共交通を目指す。郡内初で、県内では那覇バスに次いで2社目。西表島の世界自然遺産登録に伴い、国の「自動車環境総合改善対策費補助金」を活用して導入の準備を進め、昨年12月末に車両登録と同社敷地内への急速充電設備設置を終えた。

 車両は全長10・5㍍、幅2・5㍍、高さ3・3㍍、座席27、立ち席39など計75席。航続距離は220㌔で長距離路線バスにも対応する。同社によると、西表島往復路線100㌔で消費される電力は約20%で、1日2往復する同路線を十分にカバーできる。およそ4時間半で80%の充電が可能。

 従来のディーゼル車では燃料費が1台あたり年間360万円かかっていたが、EV車では大幅な削減が見込めるという。メンテナンス費も3分の1程度で、ランニングコストがかからないこともメリット。

 災害時には電源供給ステーション、冷暖房完備の避難所として機能。USBジャックとAC電源を完備し、スマートフォンやパソコン等の充電が可能。一般家庭の消費電力25日分の電気量を賄える。町と締結した災害時の「包括連携に関する協定書」に基づく取り組みの1つとなる。

 大原港で3日、お披露目式が行われ、玉盛社長は「『乗ってみたい』『楽しい』『快適』など公共交通のイメージアップになれば」と期待感を示し、「今後も世界自然遺産の島での企業のあり方を模索していきたい」と述べた。

 車体のバスラッピングは「繋がる自然」がコンセプト。イリオモテヤマネコやカンムリワシ、アカショウビン、マングローブなど海や陸の多様な動植物が描かれている。

 大浜知司副町長は「EVバス導入は西表の自然環境に適したもの。住みやすいまちづくりの根幹をなす公共交通のあり方に一石を投じる先進的な取り組みだ」と前泊正人町長のあいさつを代読した。

 仲間港を出発して由布島を往復する試乗会が行われ、参加した関係者が乗り心地を体験。「静かで快適」「防災の機能があるのは良い」などの感想があった。

 同社は運行開始に向け、スマートタッチ決済を導入するなど利便性向上を図る予定。


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