知人からいただいたケーキ菓子を持ち帰って子にやった。2人いるので「半分こ」と言い添えた。久しぶりに口にする言葉。懐かしさがこみ上げてきた。筆者と同世代なら分かるかもしれない▼そう、「ふたりで半分こ」。アニメ「名犬ジョリィ」のエンディングのうた。ＮＨＫアーカイブスによると、1981年から82年にかけての放送だから、筆者が小学校高学年のころである▼「真っ白で大きなピレネー犬ジョリィと母を探す孤児セバスチャンの愛と勇気の冒険物語」。終わりの曲は…ビスケットやチーズなどの食べ物も、寒さをしのぐ毛布も、重い荷物も、ワクワクも希望も悩みも涙も笑顔も、何でも2人で仲良く半分ずつという内容▼戦後の日本。物がなかった時代や兄弟が多かった時代に、半分こにしたり等分にしたりするのは当たり前。そこから気遣いや気配りの心も育ったことだろう。今の「飽食」「少子化」の時代も、そうありたいと願う▼「名犬ジョリィ」の以前に放送された「未来少年コナン」や「ニルスのふしぎな旅」もいい。人や動物への温かいまなざし、思いやりの心が描かれている。子どもたちにもぜひ見てもらいたい。筆者は、未来少年コナン5度目の視聴中である▼と言いつつ、ケーキ菓子、半分こにされたかどうか。（比嘉盛友）
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