白保公民館(前盛善宣館長)の種子取祭が9日早朝、オーセ(拝所)で行われ、関係者が来夏世の五穀豊穣と地域住民の無病息災を祈願した。石垣島カタバル馬愛好会(新本信市会長)は伝統の「カタバル馬」を奉納、村内で馬を走らせ邪気を払った。
午前6時半ごろから公民館役員や地域の農家などが集い、神司の大城美由紀さん(嘉手刈御嶽)、迎里三千枝さん(波照間御嶽)、石川ときさん(真謝御嶽)とともに願いを開始。村の神と火の神に向け「力草の根、ススキの根のように、犬の毛、猫の毛のように育て」と願い口を唱え稲の成長を祈願。紅白のイバチや酒、塩などを供え手を合わせた。
その後、石垣島カタバル馬愛好会の乗り手らが伝統の面「アガフツィ」を被り村内で馬を走らせ邪気払い。白保郵便局前の国道390号線とオーセを結ぶ一直線の道「ンマガミチ」ではカタバルが行われ、馬の軽快なひづめの音と乗り手の「ハイ」というかけ声が響いた。
カタバルを初めて見たという米盛美月さん(7)は「速くてすごい。こんなところも走るんだ」と驚いた様子。いとこの米盛勝仁さん(16)は「久しぶりに見たがかっこいい。これまでの伝統を受け継ぎながら、白保が進化する1年になってほしい。コロナも今すぐに終息してくれたら」と期待した。
前盛館長は「昨年よりも豊作であるよう祈願した。天気にも恵まれて良かった」と安堵し「白保が平和でますます発展するように願いたい」と語った。