国道バイパスの大型プランター「緑化コンテナ」から、花が一斉に消えた、と報じられた。緑化と維持管理を任せている造園業者との契約が終了したため、らしい▼このプランターを見ると、実に合理的だ。鉢植えの花を持ってきてガチャンと設置する。台風前にはさっさと取り外して持ち帰る。維持管理は容易だ▼若い人の発想だろうか。最初のイメージは、部品を短時間で取り換えるロボット漫画、もしくは戦隊ヒーローもののテレビ番組だった。ところが残念なことに「主人公」がいない▼この場合、ヒーローは「花」だ。どのようなヒーロー・ヒロインを作り上げるのかという「台本」がない。沖縄だから「ハイビスカスさネェ~」「いやブーゲンビレアさァ~」。少し食傷気味になる▼鉢植えだと、ヒーローにも限界がある。予算不足で雨靴にジャージー姿の超ローカルヒーローになりかねない。ディレクターがしっかりしないと造園業者が戸惑う。落札できるか分からない花を、事前に育てておくわけにはいかない。それが一般的▼むちゃぶりされても、業者は落札後にしか準備できない。従ってヒーローは貧弱になりかねない。ただ、花と限定している台本を、ピパーツやハーブなど、関心を持たせるような「合わせ技」に書き換えると、元気になるかも知れない。(黒島安隆)
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