県八重山土木事務所が国道の植栽マスの維持管理対策として730交差点を起点とする国道バイパスなどに設置した緑化コンテナから花が一斉に消え、住民から「これでは宝の持ち腐れ」という声が上がっている。コンテナには鉢植えの花を入れる直径20㌢の穴が三つあるが、空になっているため、中には空き缶が捨てられるケースも出ている。
土木事務所によると、コンテナが空になったのは緑化と維持管理を任せている造園業者との契約が終了したことによるもの。同事務所維持管理班では「来週にも別の業者と委託契約が完了するため、7月初めには元通りの状態にしたい」と話している。
緑化コンテナは、県が沖縄振興特別推進交付金を活用して道路植栽マスの維持管理対策を目的に考案した沖縄フラワークリエーション事業の一環。
2000万円を投じ、2012年度から13年度にかけ、730交差点から市街地の国道バイパスや南ぬ島石垣空港入り口に計240個を設置した。コンテナは縦58㌢、横1.3㍍、高さ58㌢のコンクリート製。
県では、沿道を沖縄らしいハイビスカスやブーゲンビレアなど熱帯花木で飾ることを決め、コンテナの緑化と維持管理は委託契約を結んだ造園業者に任せてきた。
設置当初、地域住民からは「南国らしくていい」「管理がうまくいくのか」などと反応も千差万別だった。
今回の出来事はいわば、委託契約切れによるハプニング。維持管理班の入高島利之班長は「緑化コンテナの花は切れ目なく続けたいが、準備期間があるため、こういう結果になった」と話す。
県は国道や県道の植栽マスに繁茂する雑草の除去に四苦八苦して
おり、「財政難の影響でこれまで年4回の維持管理が予算の削減で年2回に減らされ、対策に苦慮している」(入高島班長)という。
観光立県の沖縄。観光客を気持ちよく迎えるためにも、予算の効果的な使い方や創意工夫が求められている。