11月に予定される県知事選の与野党の候補者擁立が注目を集めている。双方とも水面下での動きが活発になり、従来の保守・革新の対決という構図が大きく変わる可能性が出てきたからだ▼仲井真弘多知事は、今月下旬に開会する県議会6月定例会での3選出馬表明が有力視されている。片や県議会野党会派で組織する選考委員会は、翁長雄志那覇市長(63)と琉球大学法科大学院教授の高良鉄美氏(60)の2氏を軸に最終的な調整に入っている▼翁長氏については那覇市議会の最大会派である自由民主党新風会が、県連の方針に従わず出馬を要請した。9月をめどに受諾する可能性が高いとの声も聞こえる。革新政党や経済界有志などからも保革を超え「オール沖縄」候補として擁立しようとする待望論が根強い▼一方、仲井真知事にはすでに後援会が出馬を要請している。石垣市の中山義隆市長ら県内13市町村の首長も先日、知事を励ます会を開いて支援することを確認した。カギを握る公明党との協力体制が築けるのか注目されている▼昨年12月、仲井真知事は辺野古埋め立てを承認した。翁長氏は、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対の姿勢を堅持しており、双方の主張は相反する▼候補者の擁立はどう動くのか。秋の県知事選は沖縄の行方が決まる重要な選挙である。(鬚川修)
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