新型コロナウイルス禍となって3度目のゴールデンウイーク(GW)が始まる。ことしは29日の「昭和の日」から5月8日までの最大10連休。県内航空路線の予約状況は対前年比で20%前後伸び、市内の主要ホテルの稼働率も90%と言われる。全国的に緊急事態宣言や「まん防措置」が発令されていないことが、旅行需要を高めているようだ。
航空各社は23日までにGW(4月29日~5月8日)の予約状況を発表した。JALグループの沖縄発着路線の予約率は前年比15%増の62%。コロナ禍前の19年比だと24%減。同様にANAの予約率は前年比23・8%増の55・2%。19年比は36・3%減となる。
ある航空会社の石垣―本土直行便路線の予約率は70%台。羽田―石垣は前年比39・2%増と上昇。航空各社の下りピークは29日、上りは5月5日としている。
レンタカー「満車」
市内のレンタカー店では23日、電話対応や車両の出発で大忙し。ある店舗はコロナ禍の利用減で車両を100台から50台に減らした。4月上旬からGW予約が殺到し、すでに「満車」。4月中旬以降の問い合わせを断っている。経営者の男性は「今までGWはコロナで潰されたので繁忙期は3年ぶりだ。楽しみで仕方ない」と上機嫌。「まん防が出なければ夏もいい感じになる」と期待する。
一方、連休中に感染拡大を心配する声も根強い。あるダイビング業の男性は「感染リスクはある。ダイビングした後は飲食もするので、感染拡大するとまずい」と話し、ワクチン接種とPCR検査での陰性証明を徹底する必要があると強調する。予約状況は前年並みで「完全に戻っていない」という。
宮古・八重山が好調
「市内主要ホテルの稼働率は90%台」と話すのは市観光交流協会の高橋秀明副会長だ。沖縄本島の稼働率は30%~50%程度で、宮古・八重山への旅行が好調といい、▽シティホテル型の那覇でなく南国リゾートが選ばれている▽本島のレンタカー不足で移動手段がなく敬遠される―と分析する。
旅行者も感染対策を徹底して来島しているとして「コロナからアフターコロナの動きになっている。過去2年間とは違った動きになるだろう」との見方を示し、夏場の好調も予測する。一方、観光業界の人手不足を課題に挙げた。
コロナ禍1年目の20年のGWでは石垣市などが緊急事態宣言を発令。21年は東京、大阪など主要4都市で同宣言が発出。23日現在、全国で同様の宣言は発令されていない。