【南城】数が激減しているヨナグニウマの保存と活用に取り組む一般社団法人ヨナグニウマ保護活用協会(中川美和子代表理事)の加盟牧場「うみかぜホースファーム」=南城市=でこのほど、初の子馬が誕生した。オスで「尚」と命名された。
2月10日生まれ。ヨナグニウマはもともと本島にもいた在来馬で、尚巴志のように沖縄やヨナグニウマのシンボル的存在になってほしいとの願いを名前に込めている。3月半ばからSNS上で募集した名前にヒントやアイデアを得て決定した。
「尚」は、与那国島出身の母馬「風海(フウミン)」や仲間のヨナグニウマに見守られながら、同ファームですくすくと成長。
まだ幼くさまざまな場所に行くことはできないが、2022年末に提携先のユインチホテル南城への引っ越しを控えている。ホテルでもたくさんの人たちと触れ合うことで「ヨナグニウマ親善大使」としての役割を果たしてもらう予定だ。
同協会は、17年10月にNPOヨナグニウマふれあい広場から移行。ヨナグニウマを自家繁殖し、乗用馬や動物介在教育などに活用できる馬として調教しているほか、さまざまな馬遊びを提案している。
23日には小学生のための馬クラブを実施。約10人が世話や乗馬を楽しんだ。定期的に乗馬会も行っている。
同ファームのほか、与那国島のちまんま広場、石垣島馬広場、久米島馬牧場でも同様の活動を展開。中川代表理事は「ヨナグニウマは小柄だが足腰が強く、素直で頭がいい。とてもいい性質を持っていて、沖縄や日本に普及させたい。沖縄の宝物を皆さんに知ってほしい」と話している。