第一航空㈱(本社・大阪府)が就航し、30日に再開を予定していた石垣―波照間の航空路線の延期が、21日までに分かった。波照間空路は、石垣空港を拠点に波照間空港と多良間空港を結び運航する計画だが、今月18日に多良間で離着陸の乗務員訓練中に、滑走路を逸脱する事案が発生。原因調査などに時間を要するため、同社が延期を発表した。波照間路線の就航時期は未定。
同社によると、18日午後2時に石垣空港を離陸した19人乗りのDHC―6―400(ツインオッター)は、多良間空港で離着陸の乗務員訓練を行っていた。午後3時25分ごろ、着陸時に滑走路を進行方向の右側にはみ出し停止した。
搭乗していたパイロット2人、同社運輸部2人にけがはなく、機体に損傷もなかった。
エンジンを停止させパイロットが機体を確認。異常はなく、自走でエプロンまで戻った。
県によると、滑走路逸脱で定期就航のRAC便(宮古―多良間)に約40分の着陸の遅れが発生した。
第一航空は、今回の件で運輸局の施設検査等を延期したほか、原因調査や安全対策を図るため、波照間路線就航の「延期」を発表。
同社の担当者は「早めに原因を究明して復旧したい。波照間島の住民皆さまには申し訳ないが、安全第一で就航させたい」と述べた。
波照間公民館の仲底善章館長は「起きたことはしょうがない。安全確認が取れるまで待ちたい。ただ、多良間村はRACが就航しているので『空路が休止している波照間を優先して飛ばしてほしい』と竹富町に強く要望している」と早期再開を願った。
石垣―波照間空路は、2008年11月にエアードルフィンの不定期航路が休止。約14年ぶりの空路再開を待ち望む声がある。