石垣市は15日、有害鳥獣の捕獲を担う狩猟者の育成・確保などを目的とする射撃場の整備に向け、狩猟者研修センター(仮称)建設推進協議会(会長・棚原長武農林水産商工部長、委員13人)の第1回を市役所会議室で開催した。被害の実態把握や候補地の選定、施設規模の検討、住民説明会などを行い、10月までに事業実施計画をまとめ、来年度の事業化を目指す。
鳥獣被害防止特別措置法に基づく調査によると、21年度の被害は1月末で103件、519㌃、569万円となっているが、農家の報告から駆除までに時間を要することから報告しない例が多いとみられ、市は「氷山の一角」(棚原部長)として実態な調査を委託実施している。7月には報告を受ける。
県内の狩猟免許登録者計594人のうち八重山は283人(石垣市153人、竹富町130人)で半数近くを占めるが、農家の取得者は少ない。農家は自ら所有する畑地内であっても無資格、無許可で有害鳥獣を駆除すれば狩猟法違反となる。狩猟免許の取得には県外の研修を受ける必要があるなど多額の費用を要することなどが課題となっている。
棚原部長はあいさつで「自分の畑は自分で守るという認識のもと狩猟センターを設置したい」と述べた。農家自ら狩猟免許を取得、自ら駆除できる鳥獣被害防止対策の構築を目指す。
市は、国庫補助事業の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用して整備したい考え。来年度以降、基本設計、実施設計などの事業を想定する。国庫補助率は3分の2以内。協議会は残り3分の1について県に負担を要請する。直近に整備された岡山県クレー射撃場は5億1000万円を要した。
協議会には市の関係部署のほか農業に関わる団体・機関の代表らも加わっている。