こないだから「横路散策」と称してまち歩きを楽しんでいる。市街地なら縦通りは比較的通るが車や二輪車。住宅が立ち並ぶ横路は用事のない限り機会がない。ましてや徒歩ならばなおさらである▼もちろん主目的は健康対策のウオーキング。決まったルートは飽きた。目新しさを求めたい。思わぬサプライズがあるかも知れない▼手始めに登野城から歩いてみた。季節の花々が咲き、手入れされた庭がある一方で、住む人のないらしい住宅では木々がうっそうと伸び放題の庭もある。いつの間にか駐車場になった土地。新築アパートが目立つ一方で、昭和のままに変わらぬ一角もある。集落景観を形成した木造赤瓦住宅と福木が減って風景は変わりゆく▼3町内の細い路地を通った。子どもの頃入った覚えのある食堂を見つけた。半世紀ぶりである。熱を出して現在の蔵元駐車場にあった八重山病院の診察帰り、母に連れられそばを食べた▼あの頃は多少の風邪などそばを食べれば治った。それにしても市内で最も老舗の食堂ではないか。多少の感動を覚えつつ、ぼんやり歩いていたら隣の番犬にほえられた。思わず笑顔になった散策だった▼車や二輪車ばかりでは見えないものがやっぱりある。くれぐれも怪しいものではありません。散策を楽しんでいるだけです。(慶田盛伸)
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