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労働力確保が難航 震災や五輪の影響か?

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サトウキビの刈り取り手不足が深刻化している西表島=資料写真・2013年3月6日・西表大原

 含みつ糖(黒糖)を製造している西表島と小浜島でサトウキビの刈り取り時期における労働力不足が深刻化している。西表島では2013/14年期の操業で十分な人員確保ができず、収穫作業が遅れたため、西表島サトウキビ生産組合(山城富正組合長)では14年度から刈り取り機を導入したい考え。小浜島も人手不足から農家が収穫作業に追われ、同時期の肥培管理に手が回らない状況でクモーマ(小浜)サトウキビ生産組合(大盛武組合長)では集中脱葉施設の整備を要望している。

 分みつ糖(白糖)を製造している石垣島ではハーベスターで農家の労力低減を図っているが、同収穫機では1本のキビを複数に分断して収穫するため、製糖工場に運び込むまでに断面の酸化が進む。

 製糖過程でみつを分離させる分みつ糖は断面の酸化は大きな問題とはならないが、含みつ糖の場合は品質劣化につながるため、町内の西表島、小浜島、波照間島では手刈りや刈り取り機で切り倒した後、人手で脱葉作業を行っている。

 波照間島では農家105戸を17班に分け、班ごとに刈り取り作業を行う「ユイマール」組織が定着しているため一定の労力が確保できているが、小浜島、西表島では毎年、各製糖工場や農家がアルバイトを雇って収穫作業にあたってきた。

 その中で昨年、小浜島や西表島の農家から人員確保が難航している現状を訴える声が相次ぎ、町農水課の大嶺高輝係長は「これまで県外から刈り取り作業の手伝いに来ていた人たちが東北の震災復興や東京五輪にむけた建築工事に行っているのではないか」と推測、来期以降の人手確保にも不安を抱える。

 このため、町では年内にも西表島に刈り取り機を導入する方向で調整を進めており、同課の野底忠課長は「農家の労力低減に向けて、機械化を推進していくしかない。製品の品質保持のためハーベスターを導入しにくい状況がある以上、安定的な生産を図るためには刈り取り機と脱葉施設の整備がいずれは必要になっていく」と述べ、国・県の補助事業を導入して環境整備を図りたい考えを示した。


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