「本当に強かった」、「どきどきが止まらない」、「県民の誇り」―。男子グレコローマンスタイル77㌔級で銅メダルを獲得した屋比久翔平選手の快挙に地元沖縄が沸いた。五輪個人競技で県出身者初となるメダル獲得。宜野湾市の家族、石垣市の親族から祝福と称賛の声が上がった。
母・直美さん宅=宜野湾市=と叔父の長間靖さん宅=石垣市白保=はそれぞれスマートフォンで競技会場とライブ中継をつなぎ、試合を終えた屋比久選手を画面越しで祝福。「翔平おめでとう」、「よく頑張った」と声をかけ悲願のメダル獲得をともに喜んだ。
直美さん(52)は「高校生など翔平を目標にしている子たちも多くて、背負うものは大きかったと思う。今まで見たことのない投げ方をしていて、銅メダルにかける思いや絶対に勝つという気持ちが伝わってきた。本当に強かった。えらい」と息子の奮闘をたたえた。「家族とも1カ月近く離れていたのでゆっくり休んでほしい。次のパリ五輪も狙えると思うのでやれるところまで頑張ってくれたら」とさらなる飛躍に期待した。
祖母・渡久山ミヨさん(81)は「みんなで泣きながら万歳をした。『よかったね、よく頑張ったね』と声をかけたい」と感涙。「今まで見てきた中で最高の試合だった。今後もけがや体に気を付けて頑張ってほしい」と世界を相手に戦った孫をねぎらった。
白保で応援した叔父・靖さん(59)は「心臓のどきどきが止まらない。本当にやってくれた」と大興奮。投げ技による逆転で勝ちを確信したと言い「翔平の実力が発揮された最高の試合だった。夢がかなって良かった」と喜んだ。
うれしさのあまりテレビの前で叫んだという叔母のみつるさん(59)は「父の保さんから習った最後まで前に出る翔平の得意なスタイルが生きたと思う。まだ実感はないがとにかくうれしい」とこみあげる喜びをかみしめ、いとこの絵里菜さん(36)は「メダルをとってくれると信じていた。最後はかっこよく決めてくれた。本当に誇らしい」と胸を張った。
在沖白浜郷友会の会員らはそれぞれの自宅で応援。長谷川隆会長は「『郷土の誇り』の一言に尽きる。根性が本当に素晴らしい。少し休んで、今後はさらに上を目指してほしい」と島の後輩にエールを送った。