「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして開催する東京五輪・パラリンピック大会」。無観客開催という厳しい現実を前に、むなしく響く言葉となった▼東京の4度目の緊急事態宣言、沖縄の延長。八重山経済は観光で成り立っているだけに関連業界の大きな落胆に共感する。我慢は限界に近いのではないか▼酒類の提供停止に応じない飲食店に関し、取引のある金融機関から働きかけさせようとした国の動き。あちこちに手を回し、店を追い詰めていくようで息苦しい。店側は感染予防対策に追われ、あげく時短、休業、酒類提供停止。国からの要請という名の圧力、締め付けばかり▼思えば、感染拡大防止のために打った国の施策は、すべて検証が必要だ。初めての緊急事態宣言が全国一律だったのは妥当だったか。都市圏ならまだしも全国一斉の休校措置は、子どもたちの学ぶ権利を奪わなかったか。アベノマスクは税金を使った「壮大な無駄」ではなかったか。何より「GoTo」が全国に感染拡大させなかったか▼ワクチン供給不足の不安のなか、第5波が懸念される。五輪が国民の命をかけた大ばくちとならないよう、政権延命の政治利用にならないように▼無策の果てに「安心・安全」のフレーズさえも、むなしく響く言葉とさせてはならない。(慶田盛伸)
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