八重山農林高校と指定校を結ぶ、東京農業大学の江口文陽学長が9日午後、同校を訪れ、グリーンライフ科2年の生徒18人へ出前講座を行った。江口学長が同校で講義を行うのは6年ぶり。
この日、江口学長は「きのこによるSDGsの可能性」とのテーマで講義。自分の父親ががんを患ったが、食を通して回復したことをきっかけに農業の道に進もうと決意したことなどを紹介した。生徒らは、大学で行う研究内容の一部をスライド形式で学んだ。
八重農から東京農大へ指定校推薦の第1号で進学した米盛英博さん(23、日健総本社白保工場社員)と同第2号の友利毅さん(22、同)も参加し、後輩へエールを送った。
出前授業を終えて、砂川堺斗君(16)は「きのこは医薬品や健康食品に使われたりしてすごいと思った。石垣島は大学・専門学校がなく、進路に関わる話が聞けて貴重な経験になった。汗をかいて得た成果は自信につながるという言葉を胸に刻んでいきたい」と感想を述べた。
江口学長は「たくさんの人に農学の研究に取り組んでもらい、研究のすばらしさを身近に知ってほしい。高校生から地域とのつながりをもって、いろんな学びを得てください」と鼓舞した。
八重農は2015年から東京農大と指定校を結び、同大森林総合科学科に毎年1人が推薦入学している。八重農出身の在学生は現在8人。
江口学長は同日午前、包括連携協定を結ぶ石垣市の中山義隆市長を訪ね、1次産業の発展について話し合った。