政府は6月20日付で9都道府県の新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言を解除。沖縄県のみ7月11日まで継続しているが、市内の観光客増加は全国各地で宣言解除されたことが要因と見られている。
5日午前、ユーグレナモールでは親子連れやカップルなどの観光客が往来。土産物店に吸い込まれるように入っていった。
東京都にある映像関係の会社で働くメンバー7人は、4泊5日の八重山滞在最終日に土産物店を物色。この1年間は仕事詰めだったようで半年前から計画、ストレス解消のためにやってきた。
このうち石川翔太さん(25)=東京都=は「波照間島の自然が良く、海で泳いで日焼けもした。楽しかった」と笑顔。土産については「1年近く給料を使っていないので予算の際限はない。友だち5人ぐらいにあげたい」と意気込む。
同モール内の土産物店によると、観光客の来店増加と共に客単価も3000円台から5000円台に上昇した。店主は「東京で感染拡大していた時期は、土産物を(友だちに)持って行きにくいと言っていた。今はそういうことがない」と安堵。
レンタカーの需要も高まっている。ある事業所では7月1日から観光客の利用が増加。6月上旬こそ1日1~2台のペースだったが現在、車両利用率は約4割。密を避けるためかバイクの需要が例年になく高いという。
経営者の男性は「7月末の4連休から1週間、レンタカーは満車になっている。静岡県の新婚夫婦も来ていたが、海外旅行に行けず石垣を選んだとのこと。これからバブルが来るかもしれない」と期待する。
市観光交流協会によると、川平湾のグラスボート業はクルーズ船客を除いた19年7月比で40%ほどが利用。主要ホテルは22~25日の4連休に7月の最盛期を迎え「ホテルによっては満室」の状況。ただ、8月の予約状況に大きな動きはないという。
今後も8月の最盛期、10~11月の修学旅行と観光シーズンが控える。同交流協会の西仲野正己事務局長は「県内は11日まで緊急事態宣言なので、飲み会や懇親会は控えたほうがいい。感染拡大すると8月の繁忙期に影響が出てしまう。市民の陽性者発生を防がないといけない」と呼び掛けた。