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星空保護区認定に危機 市街地が「危険水域」

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石垣島の北部で撮影した夜空。山の向こうから市街地の明かりが空を照らす(市観光交流協会提供)

 石垣市と竹富町が国際ダークスカイ協会(IDA、本部・米国アリゾナ州)に申請し、2018年に光害の原因となる外灯などの改修や取り換えを条件に認められた星空保護区の「暫定認定」の期限が2年後に迫っている。保護区の対象地域は、石垣市と竹富町にまたがる西表石垣国立公園。竹富町では正式認定に向けて、2019年度から改修・取替作業が進んでおり、来年度中には全体計画の9割程度が完了する。一方で石垣島南部に広がる市街地の明かりが新たな課題として持ち上がっている。

 

■竹富町は対応進む西表石垣国立公園

 

 星空保護区はIDAが2001年に始めた制度。ダークスカイ・パークは国立公園区域内などが対象で、光害の防止や自然保護のために良質な屋外照明が使用され、暗い夜空の環境と美しい星空が保たれていることなどが認定条件となっている。

 暫定認定については、竹富町内の一部の外灯がIDA基準の水平方向より上側を向き、光が上空に漏れている状態だったためで町は23年度までに全ての屋外照明を光害対策型に改修する計画。

 19年度には波照間島を除いた地域の外灯に遮光テープで対策。20年度には鳩間島や舟浮などの外灯をIDA認定照明に取り換えた。

 今年度は波照間での作業を予定しており、町は波照間島の外灯改修工事費として2300万円を計上している。

 来年度中には全計画の9割以上が終了する見込みとなっている。

 公園内の石垣島北部には市の管理する外灯はないが、美崎町を中心とした市街地の光が石垣島に近い竹富島へ影響を及ぼしており、17年7月には21・3だった空の暗さを表す指標が20年9月には基準値の21・2を割る20・96となっている。

 市から委託を受けて調査や同協会へ報告を行っている星空ツーリズムの上野貴弘代表は「危険水域だ」と指摘。「ホテル建設など外灯が多くなっている。星空を撮影する市内の写真家からも光害を懸念する声がある」と明かす。

 年に数回、南十字星や天の川の撮影に訪れる那覇市在住の櫻井崇さんは「暫定認定されてからどんどん悪くなっている。サザンゲートブリッジのライトアップを見ても光害に対する意識が高まっていないように感じる」と危惧する。

  竹富町町民課の担当者は「足並みをそろえた対応に向け石垣市と協議したい」としており、石垣市観光文化課の玻座真保幸課長は「同じエリアを共有している。竹富町からの呼びかけがあれば同じ行政として協議したい」と述べた。


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