八重山保健所は28日、新型コロナウイルス変異株の検査結果を発表した。7日から20日までに陽性と判明した石垣市在住者の検体27件を検査したところ、96.3%に当たる26件で変異株N501Yが検出された。1件が判定不能だったが、保健所は「変異株だろう」との見方を示した。感染力が強いと言われる変異株への置き換わりが八重山でも起きていることから、家庭内でも感染防止対策の徹底を求めている。
八重山地域新型コロナウイルス感染症対策本部長・曽根淳八重山事務所長は同日夕、八重山合同庁舎での本部会議後、「これまでにない感染拡大の状況が続いており、医療体制は非常に逼迫している」と危機感を表明。飲食に加え、家庭内や職場内での感染も多くなっていることから「まさに今が拡大を食い止める瀬戸際」として、家庭や職場でも3密回避を含めた基本的な感染防止対策の徹底を呼び掛けた。
家庭内での対策について保健所の大原耕平健康推進班長は「例えばご飯の時間をずらし、家族同士でも離れてしゃべらないなど踏み込んだ対策を」と強く要望した。
県本庁の糸数公医療技監は「石垣市内は市中感染が広がっている。かなり気を付けないとかかってしまう。少しでも症状がある人は出勤や登校を控えてほしい」と注意を喚起した。
曽根所長は「新型コロナの脅威は、誰か1人が感染対策に取り組んでも排除できるものではない。一丸となって取り組めるかどうかが今後の感染状況に顕著に現れる。医療を守り、あなたの大切な人やあなた自身を守るため理解と協力を」と訴えた。