沖縄地方は5日、昨年より5日、平年より4日早く梅雨入りしたが、ここ数日は晴れ間が広がり、梅雨の中休み状態だ▼梅雨には、時々まとまった雨が降る「男性型」と小雨がしとしと降り続く「女性型」があるが、5日未明と10日午後に集中豪雨があり、その後、晴れ間が広がっていることから、今年の梅雨はどうやら典型的な「男性型」らしい▼5日未明の記録的大雨は、50年に1度といわれ、1時間雨量が石垣市登野城で観測史上9番目となる93・5㍉を観測。真喜良地区の護岸沿いで路面が河川と化し、床上や車両浸水が発生した。短時間の豪雨に排水が間に合わない状況があったようだが、地域住民の生活を考えると早急な対策が必要だ▼沿岸部では、ほ場から流れた赤土で海が真っ赤に染まった。大雨のたびに繰り返される光景だが、その海の色を見るたびに、周辺海域のサンゴ礁への影響が心配される▼農家も緑肥作物を植え、裸地状態を避けたり、周囲に月桃などでグリーンベルトを設け、懸命にほ場から耕土が流れるのを防いでいるが、その努力を無とする大雨だった▼少々気が早いが、梅雨は「ハーリー鐘とともに明ける」と古くからいわれる。そのハーリーは今年は6月1日。これを境に暑く、長い本格的な夏に突入する。その日が待ち遠しい。(下野宏一)
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