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カンムリワシ放鳥 手厚い介抱で元気に

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多くの参加者が見守るなか、野生に帰されるカンムリワシ=10午前、県立石垣青少年の家

 10日からスタートした「愛鳥週間」(~16日)にちなんで環境省石垣自然保護官事務所(原口梨沙自然保護官)とカンムリワシ・リサーチ(佐野清貴代表)は同日午前、県立石垣青少年の家南側のほ場で、4月に新川の道路で保護し、体力が回復した国の特別天然記念物カンムリワシ1羽を放鳥した。

 カンムリワシ・リサーチによると、今年のカンムリワシの保護個体および死体の収容数は5月10日現在、交通事故によるものが5件、衰弱が2件、不明2件の計9件。昨年は交通事故が9件発生し、うち6件が即死状態で発見され1羽が治療中に死んだ。また、リハビリ中、放鳥がそれぞれ1羽だった。

 特に、カンムリワシの交通事故発生件数は今年も増加することが懸念されるため、同事務所では交通量の多い島内12カ所に注意を喚起する大型看板を設置し、カンムリワシの事故防止に取り組むことにしている。

 この日、放鳥されたカンムリワシの若鳥は4月22日に新川の舟蔵の里付近の道路で衰弱し、カラスにつつかれているところを通行人が保護。石垣やいま村の県疾病野生鳥獣保護飼育ボランティア施設でリハビリを受け、体重も保護時の650㌘から710㌘に増えるなど順調に回復した。

 放鳥に集まった参加者の中からカンムリワシの名前を募り「きょう」と命名。右足に「M」の文字が書かれた赤の足環を装着した。全員が見守る中、カンムリワシは元気に羽ばたいて森の中に消えた。

 命名者の緒方浩崇君(15)=八重山高校1年=は「カンムリワシが親しみやすい顔をしていたので、仲の良い友達の名前が頭に浮かび、『きょう』と名付けた。車を持っている人はスピードを出さず、カンムリワシが事故に遭わないように注意してほしい」と呼びかけた。

 この日は、カンムリワシの生態に関する講座も開かれた。


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