こどもの日、母の日の芸能公演など八重山芸能は千紫万紅の様相を呈しているが、現実は芸一本では食べていけないので趣味の域に留まっている▼中学、高校と郷土芸能に親しみ、県立芸大で研さんを積んできても仕事として生かせないので、くすぶっている若者は多い。そんな若者を集め、本格的な八重山舞踊、民謡を紹介する八重山歌舞団を旗揚げし鑑賞してもらう場をつくりたいと語る友人がいる▼その場合、芸を披露するだけで食べていければそれに越したことはないが、初めは難しいのでタイのローズガーデンのように、ある時間帯に島を観光しているバスやタクシーが一堂に集合できる公園施設を借りて、ワンドリンク付き料金で芸能を楽しんでもらうことから始めてみてはどうか▼歌舞団員は社員として雇用され、交互に公演班と、もてなし班を担当、運営一切に関わってもらう▼見物料をいただくからには習い事レベルではすまない。寸暇を惜しんで稽古に励まなくてはならない。落後者も出るだろう。しかしそんな環境で鍛えられれば、個々の芸はさらに磨きがかかる▼百戦錬磨の技能であれば観光客のみならず、役所やお互いの会社の賓客などの接待にも活用できる。花金も弾むだろう。島外公演にも安心して派遣できる。他の団体も、うかうかできぬ。(仲間清隆)
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