きょう5月10日は5回目の「黒糖の日」だ。この日が来ると黒糖の売れ行きがとても気になる。それは周知の通り県内八つの工場のうち八重山が半分の四つを占め、黒糖とキビがそれぞれ島の農業や経済、くらしを担っているからだ▼県黒砂糖工業会によると、幸い今年も本土市場での売れ行きは好調で、ありがたいことにこれで昨年、一昨年に続き3年連続好調を持続している▼ただし好調の要因は近年産糖量が減少し“品薄”傾向にあるためだ。これにより県産離れが懸念されるほど価格が高騰し、手放しで喜べる状況ではない▼2010年は産糖量が9700㌧と“豊作”となったため、各工場は大量の在庫を抱えてピンチに陥った。その反動で12年は一気に5600㌧まで落ち込んで品薄となり、以後昨年が7600㌧、今年が7100㌧で売り手市場となっている▼県産黒糖の振興を図るには、当面県工業会が国内の適正量と見込む8000㌧をいかに安定価格で安定的に供給するかだ。そして農家や工場が安心して生産するには、いかに消費を増やすかだ▼健康食品でもある黒糖の人気は根強く、さまざまな分野で次々新商品が開発・発売されている。その黒糖製品を地元の私たちが意識的に消費することが産地の支援となり、産地の人々を元気にする。(上地義男)
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