県病院事業局は24日夜、石垣市健康福祉センター視聴覚室で「新県立八重山病院整備基本計画(素案)の住民説明会」を開き、新たに歯科口腔外科の設置を調整していることや一般病床の大部屋(6人部屋)を廃止し、個室および4人部屋にするなど新病院の姿を明らかにした。県が素案を公表するのは今回が初めて。5月にパブリックコメント(住民意見募集)を行い、6月から7月にかけて基本計画を策定する。説明会には市民30人余りが参加した。
素案によると、新病院の建設場所は旧石垣空港跡地の駐機場(エプロン)部分。敷地面積は4万平方㍍で現病院(2万4320平方㍍)の約1・6倍。延べ床面積は2万3000平方㍍で現病院(1万5593平方㍍)の約1・4倍となっている。駐車場は300台収容(現病院200台)のスペースを整備する。
病床数は上限350床で一般病床は1病棟当たり45床程度。このほか、感染症病床3床、結核病床6床、精神科病床は措置入院に対応して整備する。
高度医療の重症対応は集中治療室を現在の4床から6床、ハイケアユニットは4床から8床に増床。このほか新生児集中治療室3床、新生児治療回復室を6床整備する。
臨床研修部門も新設し、専門研修の充実や専門資格の取得支援を行い、専門性の高い医師や看護師などの養成や確保に取り組む。
今月17日に非公開で開かれた関係者の意見交換会で出された夜間診療所の設置については、県や市町など関係機関で継続して協議することにしている。
急患搬送用ヘリポートについては、新病院から300㍍以内に整備される予定だが、国有地のため、期限付きとなった場合、病院に併設して設置することも検討している。
説明会では、参加者から「病床を上限の350床を確保し、医師と看護師の増員を図ってほしい」との意見が出された。
八重山の医療を守る郡民の会の宮平康弘会長は「いよいよスタートラインに立った。来年4月に着工ということなので、議論をする時間が少ない中で、地元の意見を十分に反映した新病院を造ってほしい」と話した。
県病院事業局の當銘健一統括官は「皆さんの意見やパブリックコメントを参考にするとともに、引き続き、理解と協力を求めていきたい」と述べた。