くだけて言えば親が金持ちの子は頭が良く、高学歴でいい仕事に就きいつまでも金持ちだが、親が貧乏な子は成績も悪く、学歴もないためいい仕事に就けず、いつまでも貧乏な「貧困の連鎖」が続くという文科省の調査結果を皆さんはどう受け止めるだろうか▼これは昨年の全国小中学力テストの結果で調べたところ、親の収入で成績に大きな差が出たというのだ。従来から金持ちの家庭は教育熱心、貧乏な家庭は放任で不熱心といわれてきたが、ある大学教授の調査だとそれはほぼ確かなようだ▼たとえば年収500万円未満の家庭学習時間は、約3分の2が30分未満だが、1000万円以上は約4割が2時間以上と長い上、塾に行かせたり、家庭教師をつけたりして教育に金をかけ、熱心だ▼その結果が所得と教育の格差となり、「貧困の連鎖」だ▼ただし所得は低くても、新聞や本を読んだり、毎日ちゃんと宿題をして朝食をとるなど、親が努力して規則正しい生活をさせている子は上位の成績だった▼離島の八重山は低レベルの学力が示すように、教育熱心な親が多いとはいえない。しかしその結果が「貧困の連鎖」「子どもの貧困」となれば、それは親を選べない子どもにとっても、また八重山にとっても人材が育たず、是正されるべき大きなテーマだ。(上地義男)
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