教科書の採択地区を市町村単位で定められるなどと規定した改正教科書無償措置法が9日、参院本会議で可決、成立した。来年4月1日(一部今月16日)から施行し、2016年度に使用する教科書の採択から適用される▼改正法では、採択地区の単位を「市郡」から「市町村」へと変更。県教育委員会が認めれば市町単独での採択が可能となる▼一方、協議会を答申機関から採択機関へと改め、「協議会の協議結果に基づき、同一の教科書を採択する」とその決定に効力を持たせた▼同法改正に伴い、竹教委は「採択地区の小規模化は、学校現場、子どもたちにとって素晴らしいこと」と、町単独採択に意欲を示す。県教委もその意向を尊重する方針だが文科省は「不適切だと判断した場合は、指導、助言もありえる」と、竹教委の動きにくぎを刺す▼単独採択について市教委の玉津博克教育長はコメントを控えているが、与教委の崎原用能教育長は歓迎の意向を示しており、八重山3市町で使用される教科書がすべて異なるケースも具体性を帯びる▼採択地区がどう区分けされようとも、それぞれの協議会の場で、純粋に地区内の子どもたちの教育を考え、ふさわしい教科書を採択してほしいものだ。意図的な人選を含め、政治的な介入は絶対にあってはならない。(下野宏一)。
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