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激動の2019年始まる

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 ■激動のアジア

 ことしは、国際的にも国内的にも激動の年が予想されている。県内、郡内もそうだ。

 国際的にはトランプ米大統領の米国第一主義の政策に世界中が振り回され、それを象徴する米中貿易戦争が世界に暗い影を落としている。巨大経済大国の貿易戦争は世界中を席巻しかねない。軍拡競争も激化しつつある。

 ロシアのプーチン大統領の日本への二島返還交渉もうまく進展するか先行きは不透明だ。北朝鮮問題も解決の道筋は見えてこない。日本政府の拉致問題解決も糸口さえつかめていない。

 日韓関係は、日本が10億円を拠出して創設した元慰安支援財団の一方的解散、元徴用工裁判判決、海上自衛隊p1哨戒機への射撃管制用レーダー照射問題と続き、国交回復以来の冷え込みである。

 一衣帯水にある台湾では蔡英文総統率いる民進党が昨年の地方総選挙で大敗を喫し、主席を辞任することになった。一つの中国という原則を認めない蔡政権への中国の圧力は増し、さらに国際的にも中国の影響により台湾との友好国は今や17カ国となり、孤立化が進んでいる。東アジアは冷戦の予兆がある。

 ■天皇陛下の思い

 今年は天皇陛下が4月30日に退位され、5月には皇太子が新しい天皇に即位する。天皇陛下は昨年12月の誕生日の記者会見で平和の尊さを述べ、特に沖縄については「先の大戦を含め、長い苦難の歴史をたどってきた。沖縄の人々が耐え続けて来た犠牲に心を寄せていく思いは、変わることがない」と述べ、「戦後の日本の平和と繁栄は多くの犠牲と国民の努力によって築かれたことを忘れずに、戦後生まれの人々にもこのことを正しく伝えていくことが大切であると思ってきた」と強調した。

 しかし、日本政府はその思いとは真逆な辺野古新基地建設のための土砂投入を強行した。基地のたらい回しであり、県民同士がいがみ合う光景は胸が痛む。

 その、辺野古基地建設の賛否を問う県民投票が2月24日に実施される。しかし、石垣市など6議会で投票案を否決しており、全県内で投票が実施されるか不安視されている。市が実施しない場合、市民から投票権のはく奪で中山市長が訴えられる恐れもある。対応が注目される。

 石垣島への陸自配備計画も正念場だ。沖縄防衛局は、今年2月の着工を目指し土地の買収に入る。県の環境影響評価条例の適用前を狙ってのことだ。水質汚濁など環境問題や集落に近い弾薬庫問題など、石垣市は「防衛外交問題は国の専権事項」として防衛省丸投げの状態だ。

 ■無断開発疑惑の説明を

 配備計画予定地のゴルフ場を、現職市議が代表を務める会社が県の開発許可を受けずに開発した可能性のあることが市議会で発覚した。当の市議は「後でわかる。ノーコメント」を繰り返している。

 議員は建築土木委員会副委員長であり、市議会の委員会は専門的、能率的に審査するために設置されている。土木建築各種工事の計画施工などを審査する委員の立場。当然、疑惑を持たれないためにも市民に説明すべきであろう。

 平得大俣への賛否を問う石垣住民投票条例の審査も1月10日以降、市議会総務財政委員会で始まる見通しだ。与党が多数を占める議会が1万4000筆余りの署名をどう受け止めるか、その判断が注目される。

 今年は亥(い)年だが、猪突(ちょとつ)猛進だけが能ではない。ときには、立ち止まり冷静に内省することも必要だ。


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