石垣—那覇間で2013年7月から低価格運賃を設定している主要3航空会社のうち、スカイマーク(SKY)の搭乗率が低迷していることが、各社の運航実績で分かった。同年7月から今年2月までの搭乗率はSKYが42.14%、日本トランスオーシャン航空(JTA)が62.02%、全日空(ANA)が65.23%となっており、スカイの苦戦ぶりがうかがえる。
スカイは13年7月10日から石垣—那覇で1日4往復8便を運航。当日購入可能な普通運賃で5000円(現5100円)、事前予約チケットで3900円(21日前)というこれまでにない価格を設定した。JTA、ANAが事前購入チケットを4000円台まで下げて対抗したため、スカイは3月から自宅や勤務先に航空券を届けるサービスを開始するなど差別化に努めている。
月別搭乗率でSKYは、トップシーズンの昨年8月までは50—60%台を維持したが、9月から50%を割り込み、12月には29.10%にまで下がった。団体客にシフトする冬場の落ち込みが大きく、同社は「今年から団体旅行の営業を積極的に行っており、修学旅行や社員旅行などの需要を開拓する」(西久保慎一代表取締役社長)としている。
JTA、ANAは全月を通して一度も50%を下回ることはなく、ピーク時の8月にはJTAが76.45%、ANAが77.83%だった。
一方、利用率の低迷で運休した後、2013年6月から再開されたSKYの宮古—那覇路線は、今年2月まで56.97%とまずまずの数字を確保している。
宮古島市で観光関連業に携わる市民は「過去20何年間、運賃の引き下げを要望しても一向に改善されなかったが、スカイマークが参入して一気に下がり、市場原理を痛感した。スカイが撤退すれば、料金がまた上がるのは目に見えているので、市民もこの当たりは理解をしているのではないか」と話した。
那覇への出張などで50回以上、SKYを利用しているという石垣市内の会社役員の男性(38)は「スカイの参入が、全体の運賃引き下げの要因となっているので、応援したい気持ちから意識して乗るようにしている。運航時間も使い勝手がよい。乗り心地も接客サービスも全然問題はないと思う」と話した。