【那覇】平得大俣への陸上自衛隊配備計画をめぐり、先島地区商工政治連盟(黒嶋克史代表)と県建設業協会八重山支部(米盛博明支部長)など7団体の代表ら14人が14日、自衛隊沖縄地方協力本部を訪れ、配備予定地周辺の環境整備や地元企業への優先発注など4項目を盛り込んだ要請書を沖縄防衛局の伊藤晋哉企画部長に手渡し、「住民説明会や討論会などで市民への理解は浸透している」として「一日も早い着工を」と求めた。地方自治法に基づく直接請求の手続きが進んでいる住民投票について米盛支部長は「民意を問うものではなく、反対のために使われる。われわれは阻止したい」と訴えた。
陸自配備の民意について米盛支部長は、ことしの市長選と市議選に言及しながら「争点の一つは自衛隊の駐屯地を造るかどうかだった。市長選挙でもそれが反映され、市議選では中山市政を応援し一日も早い自衛隊誘致を促進しようという市議の数が多い」と強調、両選挙で民意は反映されているとの認識を示した。
住民投票について伊藤企画部長は「注視しているが、政府としては地方自治として見守る」との立場を伝えるにとどめた。
要請書は11月29日の集会で採択されたもの。岩屋毅防衛相と中嶋浩一郎沖縄防衛局長宛て。
伊藤企画部長は「要請をいただく以上、できる限りのことをさせていただきたい。駐屯地ができてからは、地元の方々に貢献できるような形で駐屯地運営をさせていただく」と述べた。
米盛支部長は「すでに入札が終わっているものは地元に仕事が行き渡るように十分配慮されていると感じている。一日も早い着手をお願いしたい」と要望した。
要請団のメンバーはほかに八重山電気工業協同組合、石垣管工事事業協同組合、八重山地区測量設計業協会、八重山青年会議所、八重山経済人会議の各代表ら。要請後、陸自那覇駐屯地を視察した。
■阻止発言に反発必至か 住民投票で米盛支部長
【那覇】平得大俣への陸自配備計画をめぐる沖縄防衛局への要請で、県建設業協会八重山支部の米盛博明支部長が、配備計画の賛否を問う住民投票について「阻止したい」との考えを示した。住民投票を求める直接請求には全有権者の37%に当たる1万4263筆の署名が寄せられており、阻止発言に反発するのは必至。
住民投票について中山義隆市長は「国防や安全保障を問うことはそぐわない」と否定的な見解を示しつつ、正規の手続きを経た直接請求には応じる考えを示している。手続きが順調に進めば、市長は来年1月にも臨時議会を招集して住民投票条例案を諮ることになる。
米盛支部長の阻止発言は、具体的にどういう行動を伴うのか明らかではないが、市議会で同条例案を否決に持ち込めるよう与党議員への働きかけを強めるものとみられる。