竹富町役場移転計画で町は11日、現庁舎を解体した跡地に石垣支所を建設する方針を、12月定例町議会で明らかにした。現庁舎の解体に伴い、役場機能を一時的に仮庁舎へ移す必要があることから、町は隣接する建物などを仮庁舎用として買い取る方向で検討している。支所は早ければ2019年度の着工、21年度の供用開始を目指す。大久研一、山盛力、大浜修、宮良道子の4氏の一般質問に答えた。
町役場は1977年に現八重山郵便局駐車場から現在地に移転・入居したが、施設が危険家屋となっている。敷地面積は2160平方㍍。一画に民間の建物が隣接していることから、町は不動産鑑定を行った上で所有者と交渉する。
町は行政機能・サービスの低下を避けるため、石垣支所に本所機能を移し、西表島大原の本庁舎完成後に分離・移行する計画を立てている。
支所には、一時的な宿泊が可能で町民や郷友会が活用できるホールなどの機能も盛り込む考え。
支所の建設方法について、大久氏の質問に対し、通事太一郎政策推進課長は▽建設費を抑える▽町民の要望を最大限に盛り込む—ことを目的に、複数の事業者から企画提案を受けて選定する「公募型プロポーザル方式」を採用する考えを伝えた。
建物の立地条件を生かして数階建てにし、一部を民間に委託・管理させることで使用料を確保するなど、財政支出を抑制する方法も示した。
新庁舎建設基金18億3095万円について宮良氏が支所建設に使用できるかどうか確認、通事課長は「本庁舎移転のため諸条件整備するための基金なので使えるもの」と答弁した。
町役場の機能が仮庁舎、石垣支所、本庁舎へと3回移転する可能性が高いことから、町は財政シミュレーションを見直した後に住民説明会を開催することにしている。
■町長「軌道乗った」 山盛氏の「町民は疑心暗鬼」に
竹富町役場移転をめぐる一般質問では、山盛力氏が「公約で掲げた役場移転は町民と2年の約束。就任3年目に入っている。多くの町民は疑心暗鬼になっている」とただした。
西大舛髙旬町長は、本庁舎移転前の条件整備の優先を盛り込んでいる基本方針にも触れ、「前町政時代に危険家屋と言われていた建物だったが、動こうとしなかったことも大きい。いま順調に軌道に乗ったということを理解いただきたい」と強調した。
これに山盛氏は「私は納得できない。島々に出張所を整備するのであれば、これを早く進めてほしい」と不満を募らせた。
条件整備について通事太一郎政策推進課長は「支所建設、出張所建設、島間交通の整備がされて住民サービスは向上する。この基本方針が達せられて大原へ移転する」と答えた。