農業生産物や加工品などを販売する八重山農林高校(山城聡校長、生徒255人)の生産物即売会が9日、同校であり、初めての販売となる菌床シイタケ栽培キットのほか、精肉加工品や焼き菓子、草花など多彩な商品を買い求める人でにぎわった。
生産物即売会は、「農業祭」と「花と緑と食のまつり」に並ぶ三大行事で、3年に1度開催している。この日はあいにくの雨にもかかわらず大勢の市民が訪れ、同校の農業教育や活動の一端に触れた。
このうちグリーンライフ科は、昨年度から取り組んでいる菌床シイタケの栽培キットを60個用意。昨年度の農業祭ではシイタケ60袋を販売して開始15分程度で完売した経験から、今年度は普及も兼ねて栽培キットを売ることに。同科バイオコースの2年生を中心に、夏休みから約4カ月間、培地づくりや滅菌作業などに励んできた。
会場では、シイタケがたくさん付いた培地を展示したり、栽培の仕方を動画でPRしたりして、来場者の購買意欲をかき立てた。バターじょうゆで味付けした同校産のシイタケを食べたことがある同コース2年の﨑原聡一朗君(17)は「市販のものと比べてよりおいしかった。取れたて新鮮で、安心安全なシイタケを手軽に栽培できることを知ってもらいたい」と語った。
ことし3月に横浜市から石垣島に移住し、娘の美紅さん(11)と初めて即売会に来たという松村綾子さん(52)=石垣市川平=は「各学科でさまざまなものを売っていて、生徒が生き生きしていた。育てて作る過程が分かってすごくよかった。どれもこれも欲しくなるような上等な出来栄えで感動した」と感想。シイタケ栽培キットや精肉加工品などを買ったという、美紅さんは「キノコが好きで育ててみたいと思った。どんな風になるか楽しみ。豚バラ串は油がさっぱりしていておいしかった。また来たい」と笑顔で語った。