台湾では大抵の都市に大手コーヒーチェーンが進出し、都心部では空席が見つけられないほどにぎわっていることも。その一方で、若者が個性的な喫茶店を開くことも多い▼台湾へのコーヒー豆の輸入量は10年間で2・8倍伸び、2016年には3万㌧余りに達した。台湾のカフェブームは数字の上でも明白だ▼沖縄のカフェ8店舗が参加するイベントが先月、台北市内のカフェで開かれた。台湾でコーヒーが関心を集めていることを反映して、老若男女が集まった▼コーヒーを通じた台湾との付き合いは3年という珈琲屋台ひばり屋(那覇市)の店主、辻佐知子氏(46)によると、台湾では独創的なコーヒーが目に付くという。たとえば、ジンとかんきつ系フルーツの搾り汁を加えたコーヒー。「日本では、コーヒーにこだわると、ブラックコーヒーをいかにうまく入れるかという方向に行くが、台湾ではオリジナルな方向へ行く」というのが辻さんの観察だ▼「アレンジが多様で、自由度が高い」とも。辻さんのこの言葉、台湾におけるデザインのおもしろさやアートの独創性に通じるところがある▼イベントはコーヒーを通じて台湾と沖縄が交流することが目的。感性の相互作用は意外な化学反応を生み出すのだろうか。八重山も一枚かんでおきたいところだ。(松田良孝)
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