かくも無残に劣化してしまったのか、石垣市議会は。県民投票に反対する意見書の可決のことだ▼玉城デニー知事は27日、米軍のための新たな基地建設の非を問う県民投票条例の公布を受け、投票日を来年2月24日に実施すると発表した▼沖縄に新たな米軍基地負担を強いることは許されるのか、許せないのか。敗戦から今日まで米軍基地の重圧に苦しみ、基地から派生する絶えない事件事故の恐怖を、この先ずっと甘受するのか、拒否するのか。それを問うのが今回の県民投票である▼アメリカさんに日本国民の税金で、向こう200年にわたる最新鋭の新たな基地を造って差し上げるというこの国の姿勢▼「東京新聞」(11月25日付)は、政府が想定していた辺野古新基地の総事業費は3500億円以上。しかしゲート前や海上での警備などで、もうすでに1270億円以上が使われていると報じた。税金の無駄遣いの見本市が辺野古にある▼新基地建設の在り方に素朴に疑問に思った若者たちが条例制定を請求。議会が応えたこの重み。これに反対決議した石垣市議会の与党議員にとって辺野古問題は人ごとなのかを問いたい。辺野古の現場を見ずして石垣市民の県民投票の自由を奪うことはやめた方がいい。堕落と言われるよりは良識を示すことだろう。(金城正洋)
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