もうすぐ師走。1年で最も忙しい時期を迎え、街も徐々に慌ただしさが増してきそうだ▼その一方で、1年の締めくくりとして本格的な忘年会シーズンも始まる。各店は料理内容を充実させたり、飲み放題プランを用意するなど趣向を凝らした忘年会メニューでお客獲得に躍起だ▼だが最近ニュースで、予約しておきながら来店しない「無断キャンセル」に飲食店業界が頭を抱えている実情が報道された。材料代に人件費など店側の損害は年間2000億円におよぶという▼この実態を受け全国の飲食店業界団体が「無断キャンセル」に対し、キャンセル料を請求する指針を示した。コース料理は全額、席のみの予約で平均客単価の5割程度だという。長年泣き寝入りしてきた飲食業界だけに、苦渋の決断だ▼店側は予約時間を過ぎても一定時間、席を確保する。その間、他の客の利用もできずロスが生じる。混み合う場合はなおさらだ。八重山では、〝八重山タイム〟という予定時間を守らない習慣があるだけに、店側もどのタイミングで予約席を開放するか判断に迷うことだろう▼無断キャンセルはすべてお客側の責任。急な予定変更でも連絡は可能。1本の電話で双方に被害がおよぶことはなくなる。忘年会シーズン突入を前に幹事さんはくれぐれも注意を。(下野宏一)
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