自然や産業など地域の魅力を再発見し発信できる子どもを育てようと、竹富町頑張る地域応援プロジェクトを活用した「群青 再発見セミナー」(大富公民館主催)が25日午後、大富地区で開かれ、親子連れなど約25人が参加した。講師に一般社団法人地域パートナーシップ支援センター理事の小野紀之氏を迎え、講演とフィールドワークを実施。子どもらは地域の産業について説明を受けるとともに自然観察を体験、「故郷の宝物とは何か」を考えた。
インターネット時代に15歳で島を離れる子どもらが島の魅力に気づき誇れるよう、小野氏は「気づかせてあげることが必要」と保護者らにアドバイス。
サトウキビやパインを例に、畑で収穫したての作物を食べるほうが何倍もおいしく感じられると紹介、「畑で収穫したものを食べられる豊かな環境を味わって」と強調した。
特に重点したのは「子どもを自然で遊ばせること」。西表の自然を自慢できる子どもが育つよう、地域の業者に協力を得て観光オフシーズンにカヌーやツアーに参加させることを薦めた。
フィールドワークでは、ドローンで仲間川のライブ映像をモニターで視聴。普段とは違う角度から見る川に子どもらは興奮、歓声を上げた。
干潟に下りてミナミコメツキガニを観察。小野氏は「外敵に襲われた際に脚を自分で切って身を守り、脱皮時に殻の中から新たな脚が出てくる」と生態を説明した。
参加した大原小6年の仲底美弥さん(11)は「ミナミコメツキガニが穴を掘る場面がおもしろかった」、同6年の上原一輝君(12)は「ドローンの映像に驚いた。自分なりに島の良いところ知っているつもりだったが、まだまだ自慢できることがたくさんある」と魅力を再発見した様子だった。