大型で非常に強い台風25号は3日午後9時には宮古島の南東海上を時速15㌔で北北西に進んでいる。このままの進路で進むと八重山地方は暴風域を避けられそうだが、宮古島や沖縄本島は暴風となりそうだ▼両地域は先週、台風24号でも被害を受け、特に沖縄本島は、直撃に遭い、南城市で最大瞬間風速56・2㍍を記録。全域で合計20万戸以上が停電するなど大きな被害が出た▼工事業者が一日も早い復旧に全力を挙げ、ようやく全面復旧のめどがついてきたタイミングでの25号接近だけに、住民も「勘弁してほしい」が本音だろう▼幸い、八重山地方は前回、暴風域には入らず、難を逃れたが、海、空の便が止まったことで観光面のほか、外部からの物流がストップ。一時、スーパーやコンビニの食品類などが陳列棚から消えた▼全般的な品薄状態はまだ続いており、台風25号の接近はこの状態に追い打ちをかけそうだ。25号は宮古島と沖縄本島の間を通って北上する見通しで、本土との海上交通への影響は避けられそうにない▼空の交通網の発達で、離島県沖縄も、人の移動に関しては、本土との距離が解消され、生活上の不便はなくなったと思う。だが、今回の相次ぐ台風接近で、大量物流を海上輸送に頼る、本土と海を隔てた離島を再認識させられた。(下野宏一)
↧