石垣市消防庁舎の移転先となる旧第11管区海上保安部石垣航空基地庁舎の購入費用が4363万円で確定し、市は8日招集した市議会臨時会に、2014年度一般会計当初予算で確保した取得費用2530万円に1833万円を追加する補正予算案を提出した。9日の本会議で可決される見通しとなり、予定していた6月までの移転に見通しが立った。
庁舎取得費が確定したことで、施設改修費などを含めた移転事業費は6929万円となる。補正予算案が可決されれば、庁舎購入や施設改修など移転作業が具体化する。
移転先の敷地は1万平方㍍で、現仮庁舎(2306平方㍍)の4.3倍。急患搬送ヘリポート729平方㍍、ヘリポート誘導路675平方㍍を含めると1万1404平方㍍となる。
このうち国有地7324平方㍍、県有地2740平方㍍、市有地1340平方㍍で、国・県有地については賃貸契約を結ぶ。ヘリポート関連用地は石垣市、竹富町、与那国町、多良間村で利用に応じて賃借料を負担する予定だ。
航空基地建築物の総面積は延べ2029平方㍍。庁舎を本部・署の事務所とし、二つの格納庫を救急車や消防車両などの車庫とする。移転後は、消防無線デジタル化に向けた無線工事もスタートする。
庁舎取得費について市消防が総務財政委員会(平良秀之委員長、委員8人)で行った説明によると、3月28日に国から4363万円の提示があった。当初見込んだ額を上回ったことについて市消防は、双方の不動産鑑定士の見解の違いを挙げた。国が行った庁舎の耐震工事の耐用年数について国の鑑定士は60年、市の鑑定士が50年と見込んだことなどから、評価額に違いが出たという。
委員からは「解体費用を引いた額で調整できなかったのか」との質問があったが、宇根規光総務課長は「自分たちの出した鑑定結果でしか売買ができないと断られた」と説明した。
一方、消防庁舎が移転した後の対応として、消防本部は、県営・市営新川団地建て替え(集約化)に伴う余剰地に出張所を計画している。