無所属新人で前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=、県政与党が推す無所属新人で前衆院議員の玉城デニー氏(58)が事実上の一騎打ちで争っている県知事選(30日投開票)は、終盤戦を迎えている。石垣市内で選対本部長を務める中山義隆市長、次呂久成崇県議に①争点②候補者を推す理由③相手候補との違い④これまでとこれからの戦い⑤有権者に最も訴えたいことーの5点を聞いた。
【佐喜真淳陣営・中山義隆石垣市長】
対話で課題の解決を
①政府と対立を続ける「オール沖縄」が推す県政を継続するのか、それとも政府と対話をしながら基地問題も含め沖縄の課題をしっかりと解決できる候補者を選ぶのかどうかが問われている。
②佐喜真さんは宜野湾市議2期、県議2期、宜野湾市長を2期目の途中まで務めた手腕がある。その間、市民、県民の声を現場で聞いてきた。宜野湾市長として普天間基地を抱え、ときに市民の生命財産に危険が及ぶようなことも経験してきたからこそ、離島を含めた県民の声を聞き、問題意識をもって基地問題をはじめさまざまな課題をしっかりと解決できる。
③相手候補は衆院議員を長く務め、DJやラジオのパーソナリティーとして有名だが、これまでの実績を評価すると、パフォーマンス的な要素が大きいように思う。佐喜真さんは宜野湾市議、県議、宜野湾市長として着実に実績を積み重ねており、仕事のできる人だ。
④3市町議選の後で序盤は盛り上がりに欠けていたが、菅官房長官が入るなどして以降、選挙運動に熱が入り、県議補選告示翌日の22日からは本格的に期日前運動に取り組んできたことで陣営が熱気を帯びてきた。台風が心配なので期日前投票を徹底したい。
⑤佐喜真さんは、仲井真弘多元知事のようにしっかりと離島に足を運び、離島振興を考えてくれる。県民所得300万円以上を公約に掲げている。離島振興にもしっかりと力を入れる佐喜真淳に任せてほしい。
【玉城デニー陣営・次呂久成崇県議】
県民目線で新時代を
①最大の争点は辺野古への新基地建設。国防と安全保障は国の専権事項として強引に基地建設を進め、地元を分断するやり方は、平得大俣への陸自配備問題と同じではないか。これを争点として訴えたい。
②やはり一番は人柄。前から知り合いだったかと思うくらい気さくで身近。デニーさんは、シングルマザーとして一生懸命働いてきたお母さん、その間の面倒をみてくれた育てのお母さんに助けられてきたからであろう、とても優しい。県民のために頑張ってくれる人柄だ。
③福祉職、内装業、音楽マネージャー、ラジオパーソナリティーなど、多種多様な職種を経験した苦労人。だからこそ県民目線。親近感の湧く候補者。政治が近くになると思う。
④市議選、町議選の後だったので超短期決戦。態勢づくりが出遅れた感はあるが、出発式以降、負けられないという気持ちが強くなっている。遅れた分、団結力が出てきた。今後も勢いを増していきたい。選挙ポスターを新しいものに変えるなど、残りの期間もチャレンジしていく。
⑤私たちは、国という大きな権力と闘っている、失ってはならないものを守るために闘っている。国がこうと言えば、こうするしかないというのではなく、私たちの守るべきものは何か、沖縄らしさ、八重山らしさ、石垣らしさとは何かを地元で考え、決めていくのが地方自治の理念。デニーさんとともに新時代沖縄をみんなでつくっていこう。