新県立八重山病院の新築開院式と関係者による内覧会が16日午後、旧空港跡地の新病院施設内であった。参加した約230人は、高度な医療機器やユニバーサルデザインを取り入れた施設を見学し、八重山圏域の急性期医療を担う新たな中核病院の落成を祝った。県病院事業局の我那覇仁局長は「八重山の保健医療圏の新たな出発として、エポックメーキングの日になると確信している」と期待を寄せた。新病院は30日に引っ越し後、来月2日から外来診療を開始する。
新病院は2016年1月に着工し、ことし6月に完成。RC造り5階で延べ床面積は2万3200平方㍍。新設の歯科口腔(こうくう)外科を含み24診療科。病床数302床。総工費137億円。
式典を前に、関係者がテープカット、除幕式、記念植樹を行い記念撮影をした。県知事職務代理者の富川盛武副知事の代読で謝花喜一郎副知事は「地域住民が安心して生活できる医療体制が重要で、大規模災害に対応可能な施設が完成した。観光と産業を支えるライフラインとして八重山地域の振興に大きく寄与できる」とあいさつした。
中山義隆市長は「高気圧酸素治療装置の導入について感謝申し上げる。圏域内で完結できる医療供給体制もより一層推進されることを期待したい」と祝辞を述べた。
このほか、新里米吉県議会議長、上原秀政八重山地区医師会長も祝辞。建設業者らに感謝状も贈られた。
内覧会は、6班に分かれ個室を含む3階と4階の病棟、新設のGCU(新生児治療回復室)、将来を見据え手術台に血管X線装置を組み合わせ「ハイブリッド手術」などに対応した手術室を見学。担当者から県立病院で初導入の320列マルチスライスコンピューター断層撮影(CT)、高気圧酸素治療装置の説明も受けた。
篠﨑裕子八重山病院長は「医療機能も充実しているので、地域の皆さまに愛される病院になるよう職員一同頑張りたい」と一新した施設をPRして気を引き締めた。
17日は、一般市民向けに「内覧会」を先着300人限定で実施。見学時間は午前10時から正午まで。
夕方からは市内ホテルで祝賀会も開かれた。