「市民の対立と分断をどうにかしなければならないとの憂いから立候補しました」。まさかこんなところで…と正直、意外だった▼市役所で12日行われた石垣市議選当選証書付与式。最多得票の石垣達也氏が当選者を代表してあいさつに立った。一般的には「市民の福祉向上のために…」などと22人全員に通じる当たり障りのない範囲で収めるところ。でも違った▼「石垣市は多くの課題を抱えている」として真っ先に挙げたのが冒頭の「対立と分断」。平得大俣への陸上自衛隊配備計画に伴って生じた状況を指していることは言うまでもない。同席した中山義隆市長にボールを投げる意味合いがあったのかも。その後の対応を見るために▼付与式終了後、石垣氏は「なかったものを国の専権事項としてもってくるのだから事前の話し合いが必要。話し合いは尽くされていない」と疑問視していることを明らかにしたが、具体的な対応については「同僚の平良議員とも話し合って判断する」と述べるにとどめた▼4年前の市議選で公明候補者2氏は石垣島への陸自配備に「反対」の立場を示したが、今回は「慎重姿勢」に▼中山市長は今後、配備予定地にかかる市有地を処分する議案を市議会に提出するだろう。さて、「分断と対立」を取り除くために、どう行動するか。(比嘉盛友)
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