大の甘党なので買い物ついでの菓子店巡りとスーパーの駄菓子の棚巡りは欠かせない▼島々の黒糖、黒糖かりんとう、黒糖棒、芋も好きで芋ようかん、芋けんぴなども買い込む。その駄菓子のなかでもわが家が茶請け用に備えていたのが一口食べたら癖になるハチミツ入りぽりぽり菓子、その名は、なんとも平凡な「太郎」▼この太郎がコロナ禍収束後、駄菓子屋やスーパーの菓子棚から一斉に消えた。あったら真っ先に買い求めてきた。どの店のどのあたりに置かれているのかも足が覚えていて薄闇でもたどりつけるほどだったのに残念▼たかが駄菓子だが空虚感は深い。買い物に行くたびにひょっとして今日はあるかもと足は自然に菓子棚へ向く。市内菓子店、スーパーは、きれいさっぱり無くなっていた。食品事故での撤収でないことを祈るのみ▼人間は薄情なもので忘れるのも早い。太郎のことは頭からすっぽり抜け落ちてしまった。と思っていた矢先、Sスーパーの棚の脇に積まれた菓子の補充品で太郎を発見、記憶は即呼び戻され、思わず駆け寄り対面した▼菓子袋に太く「帰ってきた!太郎」の文字。使い古された宣伝文句だがなぜか憎めない。翌日、追加購入に出向いたら再び無い。人騒がせな奴。先日「やっぱりうまい!太郎」が現れたとの情報が。(仲間清隆)
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