八重山農林高校(本村博之校長、生徒332人)の校内弁当販売開始から1年余が経過した。郡内初の取り組みとして注目され、2業者でスタートしたが、4月からは1業者での実施となっている。規模は小さくなったものの、利用している生徒の評判は良く、学校側はある程度、生徒の間に校内販売が定着したと評価。一方、販売業者との連携強化や、生徒への周知徹底を課題に挙げており、改善に向けた取り組みに期待がかかる。(松井弥恵子記者)
同校の校内弁当販売は生徒たちの食生活の乱れをなくし、栄養バランスのいい安価な弁当を提供しようと昨年10月15日にスタート。生徒たちの間で校内で弁当を買って食べるというスタイルが定着するか関心を集めてきた。
販売業者によると、現在1日当たり約100人が利用しており、定着率は約3割とみられる。
業者は毎日約15種類の弁当や総菜を販売。日替わりで弁当の中身を変えたり、生徒たちから要望のあったパン類の販売を4月から開始するなど、飽きないよう趣向を凝らしながら取り組んでいる。
利用している生徒からは「品数がたくさんあり、満足している」「外に出るのは面倒で、校内販売がなくなったら困る」などの声が聞かれ、人気の高さがうかがえる一方、「撤退業者のメニューの中で好きな物があり、食べられなくなったのは残念」「もっと業者があった方が選ぶ楽しさもあっていいと思う」など、メニューの改善や業者の追加を望む意見もある。
同校は来年度に向け、新たな販売業者への呼びかけも視野に入れているが、「現状だと1業者で十分かもしれない。更新で(現在の業者が)残ってくれるならありがたい」と話している。
本村校長は校内販売について「完全ではないが、徐々に定着してきているように思う」と評価。一方、急に行事が入るなどして日程が変わった場合に、業者への連絡がうまくいかなかったことを課題に挙げ、「行事計画を決める職員会議の後にお互い確認し合う場を持つことも考えている」と述べた。栄養バランスのいい安価な弁当を学校側が求めていることについては、好き嫌いや量の関係で利用しない生徒も少なからずおり、販売業者の代表者は「生徒が食べたいものと学校側が食べてほしいものが離れており、悩むことも多いが、今後も連携を密にしながら継続していきたい」と話している。