石垣市がまとめた風景計画・都市計画景観地区(川平・観音堂)の変更原案に対し、景観地区の高さ制限を現行維持するよう求めている川平公民館(高嶺善伸館長)は16日夜、同公民館で原案の見直しと撤回を求める反対集会を開いた。川平の景観を守ろうと、地区内外から約140人が参加。地域の代表者ら6人が「原案見直しは断固反対」などと声を上げ、現行堅持を要求する反対決議を採択した。公民館側は18日、翁長雄志県知事、平敷昭人県教育長、新里米吉県議会議長に直接手渡す予定。中山義隆市長には20日の公聴会までに提出し、意見交換を求める考え。
決議は、川平半島全域の999㌶の高さを「現行7㍍以下」から「13㍍を超える場合は景観形成審議会の意見を聞く」とする原案が高層建築物を促進させ、島の景観を損なうと指摘。区域内には国指定文化財が分布していることから、川平村の尊厳を損なうとして3回にわたって行った反対要請も無視された、と抗議している。
決意表明では評議委員、老人クラブ代表、婦人会、移住者、青年会の各代表らが次々とマイクを握り、「市は地元が要望する現行維持を180度変えた」「観光地の乱開発防止を」などと訴え、参加者全員で原案撤回に向け「がんばろう」を三唱した。
集会の冒頭で高嶺館長は「このままでは市は計画を進める。皆で団結しないと川平の景観は守れない。この集会が行政の良識を取り戻し、石垣島らしい景観は何かを考える機会になってほしい。川平の景観は私たちの宝だ」と強調した。
変更原案をめぐって市は、3月下旬から4回にわたって住民説明会を開催。川平地域では「地域の意見を聞かずに変更原案をつくった。変更ありきの原案だ」と批判する声が相次いでいた。
一方、高さ制限の緩和に関連して川平集落北側で高級リゾートホテルの建設を担う業者は、当初計画の2階建て(10㍍以下)から7~8階建て(27~30㍍)の高層化に変更する考えを示している。
市は19日まで原案の縦覧を行い、20日午後2時から市役所第2会議室で公聴会を予定している。