野菜や花の生産から販売までを行っている川原小学校(荻堂哲校長、児童22人)の児童たちが活動で得た収益を使った井戸がこのほど、ミャンマーのエーヤワディ地域にあるター・エー・ダゥン小学校内に完成した。12日午前、児童たちは川原小で報告会を開いて完成を喜ぶとともに、「思いが詰まった井戸を大切に使ってほしい」と現地住民の有効利用を願った。
NPO法人アジアチャイルドサポート(池間哲郎代表理事)が寄付を募って井戸を建設する「命の泉事業」に応募して実現。児童たちは地域の商店やJAファーマーズマーケットゆらてぃく市場などでの販売活動で得た収益計20万1604円の中から、16万円を井戸建設の費用に充てた。
井戸はハンドポンプ式。くみ上げた水を隣のタンクにためておけるようになっており、蛇口が一つ付いている。日本語と現地語で「命を助ける希望の泉 石垣市立川原小学校より」と記されたプレートも設置された。
同校によると、ター・エー・ダゥン小学校の児童は21人で、川原小と同規模。現地の人からは「これからは、井戸からでるきれいな水のおかげで水ぶそくやびょうきでくるしむことはありません。心からかんしゃしています」とのメッセージが寄せられ、同法人から感謝状が贈られた。
活動を束ねてきた前本結さん(6年)は「収益が20万円を超えたことには正直驚き、うれしかった。飲み水に苦しむ人たちを救えてよかった。井戸ができたことを誇りに思う。大切に使ってほしい」と笑顔。
荻堂校長は「グローバル化が進む中で、自分たちと同年齢の世界の子どもたちがどういう生活をしているのか考える一つの手だてになった。自分たちにできることを考えながら、行動していってほしい」と期待した。