「サンゴ養殖レッスンの最多参加者数」でギネス世界記録に挑戦する催しが21日午前、八島小学校体育館で開催された。結果、レッスンをきちんと受講したと認められた人数が196人と、世界記録認定条件の250人に届かず世界記録達成とはならなかった。石垣市制施行70周年記念事業の一環。サンゴ復活応援プロジェクト実行委員会(実行委員長・中山義隆市長)が主催した。
同ギネス世界記録挑戦は、サンゴの養殖やサンゴ礁を取り巻く海洋環境について専門家がレッスンを行い、レッスン参加人数の多さを競うもの。今回のために、ギネスワールドレコーズが新規カテゴリーとして採用した。
世界記録の認定基準は、最低250人が30分以上のレッスンを受講し、その内の90%以上の認定が条件。受講中の居眠りやスマートフォン操作など、受講以外の行為をした場合は、その受講者が失格とされた。
本番では、審査をするためにギネス世界記録公式認定員のジャスティン・パターソン氏と会場内に配置された監視員16人が一人一人を厳正にチェック。市民など257人が受講したが、認定者は196人(76%)で記録挑戦は失敗に終わった。
参加者からは「残念」「また挑戦したい」など悔しい感想の声も聞こえた。
同レッスンでは、琉球大学熱帯生物圏研究センター瀬底研究所の中野義勝氏が「サンゴ礁の危機~サンゴの白化現象に向き合うには~」の演題で講話をし▽サンゴ礁に起こっている問題▽サンゴ群集修復の技法▽移植によってサンゴ礁の保全にもたらす効果|などを説明した。
中野氏は、サンゴを養殖する海域の選定やモニタリングの重要性を示し、「一番の大敵はサンゴ問題に対しての無関心や諦め。環境対策や養殖を続けることが大切」と訴えた。
今回のイベントは市が国の補助(市負担2割)を受けて実施。参加者700人を見込み場内を設営していた。